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拝啓 村上昭夫 様

20140705_063202
前略
ほんとうに驚きました。
あなたが昔、いまわたしが住んでいるすぐ近くの家に住んでいたとは
わたしが毎日のように散歩で通る道の傍らに建つ瓦屋根の家
春先に
電線を突き抜けて高く咲いている白い花
あれをわたしは辛夷だと思っていましたが
しかしこうなれば
もしかすれば
あなたが好きだった白木蓮かもしれない
こんどの春が来たらようく見てみます
この家はいま
住む人もなく
家主は遠くにいると聞いています
あなたが住んでいたことを知っているでしょうか
あなたが出した一冊の詩集『動物哀歌』は
あなたの病と人生の苦さの投影なのでしょうか
わたしの蟋蟀や蝶を見る目が変りました
就職でハルビンに渡りましたね
当時のハルビンがどんなにすばらしい国際都市であったか
すこしは調べたことがあるのです
敗戦でどんなに御苦労されたかもわかります
活字や写真でだけなのですが
国立療養所も行ったことがあります
母は近寄らないようにと言いましたけれども
滝沢の穴口の広葬墓地にも近年行きました
教会の兄弟姉妹も眠っています
そうですか
あなたも
そこに眠っているのですか
H氏賞、土井晩翠賞を受けたほどの詩人が
こんなに身近に感じられたことはありません
わたしも詩を書いています
拙い詩です
でも書きたくなったときに書いています
最近一つ書きました
また書くでしょう
こんど書いたなら
穴口のお墓まいりに持っていきます
聞いてください
               草々



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