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雅声会主催「心のふるさと 日本のうた をたずねて その三十七」を聴く

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「雅声会が声楽を勉強するグループとして誕生したのは今から46年前。それから毎年コンサートをやってきたわけですが、ここにある日本の歌を訪ねて37回というのは、37年前、それまでは外国の曲を歌って音楽コンサートをやってきたけれども、ひとつ、日本の歌だけで演奏会をやろうかという相談になりました。その頃、ステージで歌うことは、外国の歌を歌うことでした。ですから、日本の歌だけで、お客さんが来るだろうかという心配もありましたが、何とか1回目、2回目、それまでの曲は日本の歌曲を重唱に編曲してやり、3回目からは合唱もまじえて小学唱歌、それから第二部にあるような日本映画の主題歌などを合唱と独唱に編曲して、二台のピアノ連弾で始まったのが今にいたっています。その時に編曲したのは、加藤學という作曲家でした。それからもう一人、高松瑛郎という人です。もう今は亡くなってしまいました。ただとてもいい編曲なのでこの二人の編曲を繰り返し繰り返し使っているわけであります。」(ナレーター松田晃氏)

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 作曲家、歌の時代背景、エピソードをまじえての演奏は楽しいものでした。

 

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「日本の名歌曲」では、何と、年齢の多い順の登場、これは想定外でした。いまでもレッスンに通っていらっしゃる方々と拝見、それぞれ味わい深いお声でした。

 

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 ナレーターのお話しで面白かったのは次の通りです。(いくらか言い回しが違っていますが)

 今から20年前にドイツの古い歌曲の楽譜が、ドイツの(出版社名はよく聞き取れませんでした)出版社から出された。買い求めて見ると単純な歌がたくさん並んでいた。これもそのうちに日本の出版社が翻訳出版してくれないかと思っていたところ、平成6年にドイツの古典歌曲集が出た。とてもいいので、何冊か用意しようとヤマハに問い合わせた。行く日を告げて、取っておいてもらうよう頼んだ。そして約束の日にヤマハに行った。ヤマハでは、先ず私がいちばんめに読んだドイツの出版社の楽譜を求めると、もう在庫がなく、ドイツの方に問い合わせたところ、絶版になっていた。「あなたのお持ちの楽譜は貴重な楽譜です」といわれた。それから日本で翻訳出版されたドイツ古典歌曲集、これもヤマハに在庫がないので、出版社に問い合わせると、出版社でも在庫がなく、以後刷る予定がないということだった。とてもいいものなのに売れないということです。出版社に電話し、まとまった数なら刷ってくれるかと訊いたところが、返事は「その予定はございません」。がっくりして、これを監修したのはスイスの名テノール歌手エルンスト・ヘフリガーですから一緒に編集した女性に電話しました。「このような楽譜をどうして作ったんですか?」と訊くと、「私は若い頃にドイツに留学して、ある音大で勉強しました。そのときにエルンスト・ヘフリガーと知り合いました。そしてドイツの若い学生たちが、ドイツの古い時代の楽譜を、実に一生懸命勉強していることを聞きました。非常に単純な形なので、言葉のニュアンスとかメロディーをこういった単純な曲を使って勉強することにびっくりしました。それをヘフリガーに言ったら、『そんな楽譜があるといいねえ、じゃ一緒にやりましょう』といって、曲の方を選んでくれました。それを日本の出版社に持ち込んで作ったのが平成6年の楽譜です」。
 しかし売れないから作らない。私は音楽学校の学生がドイツリードを歌うときには、それはほんとうにいい勉強になると思っていたのに、売れないから刷らないとは! それから私は考えた、ドイツの古い歌曲を使って若い人たちがニュアンスの勉強やフレーズの歌い方を勉強しているのだ。これと同じような曲が日本にもあるではないか、あの明治時代の日本の唱歌、小学唱歌、これには単純だけれどもとてもいい歌がいろいろ入っているではないか。これでニュアンスの勉強やフレーズの歌い方を勉強すればいい……」

 教育に疎い私が言うのも顰蹙ものですが、私は、音楽教育の方法上の新たな着眼を教えられたと思いました。

 このコンサートでただ一つ残念だったのは、丸岡千奈美さんが『南の薔薇』を歌い終えて観客席に投げた薔薇が私には届かなかったことです。手に入れたのは前列から3列目あたりの方でしたでしょうか。 

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