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三田照子氏 歌集『小さき花のテレジア』を出版

 花巻市在住の三田照子氏(96歳)が、歌集『小さき花のテレジア』を出版した。発行者は三田望氏(℡0198-23-4804)、編集ねんりん舎、印刷製本小松総合印刷(株)

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 最近になって、身近な62歳の方、また同期生が相次いで逝去され、いよいよ自分もそういった年代に突入したわけだと、所謂お迎えをいつでも覚悟しておかなければならないと思っていたところ、昨年の『ぐるぐる廻し』に続くこの著書の出版には驚かされた。96歳である。もうすこし頑張らなければと目の醒める想いがしたのだ。

 88歳で「未来」の大島史洋氏に入門。以降に書きためた作品を主に掲載している。題名は、著者がカタクリの花を見たときに、「天使テレジアが私共のために平和なれと祈っているように思えた」ところから付けられている。クリスチャンであり、反戦の人、生涯をかけて平和を願い続けてきた人である。

 いま中国との間が難しい局面を呈しているが、あとがきにはこう記しておられる。「私の人生は5年の中国生活が土台になっている。異国人でも心が触れ合う時一つになることも学んだ。どんな戦争でも、人間を不幸にすること。生命の大切さを深く思う。」

 三田照子氏がガンを克服されて直ぐに思いついたことは沢内村の訪問だった。命に格差があってはならないと実践し、乳児死亡ゼロ、老人の医療費ゼロを達成した深沢晟雄の取材だったのである。それが、一、沢内村。そして、二、無蓋貨車では、中国の人々との心温まる学び、そして迎えた敗戦と戦争というものの現実が詠まれた作品、これは、貴重な戦争の記録でもある。三、折々のうた、三田照子氏は、実に注意深く新聞にも目を通され、きな臭さを察知し、どこかで戦争が起きたときには、ほんとうに心を痛めておられた。自らも戦争の語り部としての使命を果たされてきている。そのような心の軌跡とともに、お母さんを、家族を、友人を、また四季折々を詠んだものなどが収められている。

 大島史洋氏の序文にある三田照子氏のお作を御紹介します。

轟音に突きあげられて飛び起きぬ。八月九日、零時の闇に

嘩甸へは死の旅なりと囁きは身重のわれに鈍く響きつ

ソ連より命令が出ぬ婦女子らの外出禁止違反者銃殺と





 

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