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立原道造の「アダージョ」

 立原道造は1938(昭和13)年9月に盛岡を訪れている。「盛岡ノート 立原道造」の中にも、立原がいかに「アダジオ」を愛したかが記されている。「アダジオ」、これはベートーヴェンのピアノ協奏曲第五番「皇帝」第二楽章アダージョ(youtubeでお聴きください)のこと。思えば、私も20代のころに毎晩のようにきいていたのだ。

 
僕のきいた音楽
 そのなかで 僕の魂はふたたび解き放たれた
 とおいとおい行けないところへの郷愁


 やはり私も、この「皇帝」の世界に自分を解き放ち、そしてそこを自分の心の置きどころとしていた。

 
きょう「皇帝」の アダジオをきいた
 あのような美しいアダジオを 僕の言葉は うたうことはできないだろうか


 そして、盛岡市愛宕山にある詩碑には、

         
アダジオ
   光あれと ねがふとき
   光はここにあった!
   鳥はすべてふたたび私の空にかへり
   花はふたたび野に満ちる
   私はなほこの気層にとどまることを好む
   空は澄み 雲は白く 風は聖らかだ


 この夜更けに、梅雨にしめった路面に行き交う車を窓外に、この詩をよみながらアダージョをきく。


 

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