きょうのことば 『完走を目指して』ー着任礼拝ー
日曜日はインマヌエル盛岡キリスト教会(℡019-646-2924)の講壇で語られる説教の要旨をおつたえしています。2013年3 月17 日の國光勝美牧師の礼拝説教です。
尚、國光牧師夫妻は、今年は40年目の盛岡での奉仕となります。その始めは、アパートの一角を借りての開拓伝道からでした。これまでに多くの方々が訪れ、去っていった方々もあります。しかし、多くの方々がご夫妻から多くのお世話をいただき、多くの方々が救いに導かれました。毎週日曜日の説教が途絶えたことはただの一度もなく、いくつものカップルが結婚の司式に与り、また多くの方々が天国に召されて行きました。迷い出た者も或いは導き返されて、今の教会があります。
【聖書引証】ヘブル書12:1~2
1 こういうわけで、このように多くの証人たちが、雲のように私たちを取り巻いているのですから、私たちも、いっさいの重荷とまつわりつく罪とを捨てて、私たちの前に置かれている競争を忍耐をもって走り続けようではありませんか。
2 信仰の創始者であり、完成者であるイエスから目を離さないでいなさい。イエスは、ご自分の前に置かれた喜びのゆえに、はずかしめをものともせずに十字架を忍び、神の御座の右に着座されました。
【説教】
皆様のお祈りのうちに、教団の年会を越えまして、盛岡に40回目の任命をいただきました。異動のありました諸教会では、きょうが離任の挨拶であり、来週の日曜礼拝では、新任牧師が着任の挨拶をすることになります。それらの諸教会に、主の恵みがありますようにお祈りいたします。
さて、きょう与えられておりますヘブル書12:1~2の御言(みことば)に心を向けたいと思います。
クリスチャン信仰生活は、よく、はせ場を走る者や、空中の権をもつ君との戦いにたとえられます。「空中の権をもつ君」とは、悪魔のことです。エペソ書6章には、悪魔の策略に対抗できるように、神の武具を身につけなさいとあります。私たちが格闘するとき、眼に見える欠肉とするのではなく、眼に見えない相手を心でしっかりと見極めて戦いをしなければなりません。
また、たとえには、よき兵卒であるように、よき競技者であるように、よき農夫であるようにとあります。よい兵卒といいますと、その昔、武士たちは、恩に報いるために忠誠を尽くし命を賭けて戦いました。またよい競技者は、その規定に従って戦わなければ勝利を得ることはできません。第二テモテには、よき農夫として勤勉に働きなさいとあります。どうか、キリストの兵隊として、各々召された競技場に於いて、キリストのからだの立て上げのために、この年、勝利を目指して労させていただきたいと思います。
ヘブル12:1を読みますと、ああ、自分もこの競争する者たちの中に加えられているという実感を持ちます。この栄えある競技に参加していることに、先ず、心いっぱい感謝しようではありませんか。東京マラソンに参加したくても、それには先ず抽選に当たらなければならない。それが容易ではないそうです。私たちのマラソンは、東京マラソンどころではない、天国というゴールを目指しての戦いです。多くの人々は、このような競技があることさえ知らないでいる。しかし、私たちはこれに参加している。この事実だけでも大いなることです。
果たして、この競技は、クリスチャンの信仰生活は、個人戦でしょうか、団体戦でしょうか。神様の前に一人一人が整えられていくという視点からみれば、個人戦のように見えます。しかし、イエス様が、教会を非常に大切に意識しておられ、キリストのからだであるとしている、イエス様の御おもいを遂行していく役目が教会に委ねられているという視点から見ると、皆が集まって教会を構成しての団体戦であるといえます。団体戦の中にいま一人一人がある、このように理解いたしました。
いま私の中には、皆さんお一人お一人の顔や姿がありますが、この方々と一緒に、この教会を立て上げて行こう、このように導かれております。
団体戦といいますと、私の好きなラグビーが、この教会の戦いに当てはめることができるかと思います。
大学で単位を修得するためにラグビーをやりました。クラブには花園で活躍した選手もいます。コーチが私に「君はフォアード。右プロップやりたまえ」と有無を言わさずに決めてしまいました。ラグビーは15人態勢。フォアードとバックスの2陣に分かれます。フォアードはスクラム組んで球を奪う役割。バックスは奪った球をもって敵陣でトライ、点を取る役割です。単位を取るために、志賀高原で1週間合宿したこともあります。そこで一般の人たちがしごかれる。日本を代表するような選手は、100キロの体重もざらです。その人たちが、がっちりとスクラムを組んで球を取るわけです。ロックはフォアードの花形ですが、ロックは堀口が有名ですね。ロックが球を後ろのバックスに渡す。このときに、スクラムハーフが、いち早く相手の陣形を見極めて、球をスタンドオフに渡すのです。そしてこのスタンドオフが一瞬の判断で前に蹴るか、転回していくかを決める。スクラムハーフ、スタンドオフが作戦を立てる中心となります。往年の松尾もそうでした。花形はタックルをかわしながら球を持って走るウィングです。秋田の吉田は名ウィングでした。
松尾雄二のおもしろい話を聞いたことがあります。ラグビーの選手には一流のひとはいない。足がほんとうに速いひとは陸上に行く。体格のいいのはウェイトリフティングに行く。だから、ラグビーには二流が来るというのです。二流、けっこうじゃありませんか。指導くださった桑原先生が言いました。「君たちはラグビーやったことがない人たちばかりだ。体格もそれぞれに違うが、それぞれに当てはまるところがある。これがみんな一つになって一つの目標に向かって進んでいく、これがラグビーのおもしろいところなんだ」
どうでしょうか。私たちがラグビー選手だとして、自分はどこに入りますか。みんな個性が違う。でもキリストのからだの立て上げの為に、そして私は、団体戦であり、個人戦であるといいましたが、それぞれが、それぞれの自覚で、その場所で、自分を創り上げていく。そのことが望まれているのではないでしょうか。
神様は、忍耐もできる恵を与えていてくださるお方です。イエス様は十字架を忍び、自分の目の前に置かれているものをしっかりと見上げて忍耐をして勝ちを得られました。
ヘブル書12:2から、イエス様が歩まれたような走り方、イエス様のような信仰を模範として学びましょう。2月に召された兄弟も、義の冠のみを目標としました。イエス様が目標としたのが義の冠です。私たちはこのイエス様の十字架から目を離してはいけません。試練、困難に直面しても、十字架に架けられるという犠牲を払っても耐え忍び、栄光を手にされました。
自分のポジションはどこでしょう。神はそれぞれに相応しい場所を用意しておられます。着任いたしました今日、わたしは、皆さまと一つになって、ゴールに向かい前進しようと、このように思っております。
※この説教は約半分に編集しております。文責:中ぶんな
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