きょうのことば 『アブラハムの神』
日曜日はインマヌエル盛岡キリスト教会(℡019-646-2924)の講壇で語られる説教の要旨をおつたえしています。きょうは、2013年2月24 日の國光勝美牧師の礼拝説教です。
【聖書引証】創世記12:1~9
1 主はアブラムに仰せられた。「あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行きなさい。
2 そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとしよう。あなたの名は祝福となる。
3 あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地上のすべての民族は、あなたによって祝福される。」
4 アブラムは主がお告げになったとおりに出かけた。ロトも彼といっしょに出かけた。アブラムがハランを出たときは、七十五歳であった。
5 アブラムは妻のサライと、おいのロトと、彼らが得たすべての財産と、ハランで加えられた人々を伴い、カナンの地に行こうとして出発した。こうして彼らはカナンの地に入った。
6 アブラムはその地を通って行き、シェケムの場、モレの樫の木のところまで来た。当時、その地にはカナン人がいた。
7 そのころ、主がアブラムに現れ、そして、「あなたの子孫に、わたしはこの地を与える」と仰せられた。アブラムは自分に現れてくださった主のために、そこに祭壇を築いた。
8 彼はそこからベテルの東にある山の方に移動して天幕を張った。西にはベテル、東にはアイがあった。彼は主のために、そこに祭壇を築き、主の御名によって祈った。
9 それから、アブラムはなおも進んで、ネゲブのほうへと旅を続けた。
【説教】
きょうは、今一度、アブラハムの信仰を捉え直してみたいと思います。
アブラハムのはじめの名はアブラムといいますが、ここでは、神が後に改めたアブラハムという名で呼ぶことにいたします。アブラハムの故郷はカルデヤのウルです。アブラハムは、ここで、神様から、カナンの地に向けて旅立つようにと召命を受けます。カナンには「祝福」という意味があり、神様がイスラエルに与えると約束した地です。
チグリス・ユーフラテス川流域にあるカルデヤのウルの辺りは、異教文化の源であり、偶像の神々に仕える人々の地域です。実は、神様は、このような中から、御自分に仕える者を選びだして、その祖先としました。アブラハムの父テラは、旅の途中のカランで亡くなっています。しかし神様はさらにアブラハムにカナンへの旅を続けるようにと導きます。
出エジプト記には、よく、「アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神」という表現が出てきます。マタイ伝の1章にあるイエス・キリストの系図にも、最初にアブラハムの名が出ています。これで、いかにアブラハムが、神の祝福の源になっているかを見ることができます。
聖書を見ますと、神様は明らかに、アブラハムを選ぶために異教社会と離別させています。あなたはそこにいるんじゃない、離れなさいと神様は仰る。
カナンの地とは、天国のことです。神様は私たちに、よしその先にどんな困難が待ち受けていようとも、イエスさまが十字架上で「あなたはきょう、わたしとともにパラダイスにいます」と仰ったその天国への旅をしなさいと言われる。天国への旅をするといっても、このこと、あのことがまだわからないという方もあるでしょう。しかしアブラハムは、ただ信仰によって異教の地と離別し、約束の地を目指して出発しました。誰にでも、これまで生きてきた地域の習慣、世界観、或いは、良くも悪しくも未練や愛着、義理人情、しがらみもある。しかし、もし私たちが、まことのゴールであるカナンに入ろうとするなら、それらをかなぐり捨てて、それらと離別し、カナンを目指して旅を続けるべきです。これは信仰による旅路です。アブラハムの旅はこの模範を示しています。
主はアブラハムに仰いました。「あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行きなさい。そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとしよう。あなたの名は祝福となる。あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地上のすべての民族は、あなたによって祝福される。」(創世記12:1~3)
ここに、「あなたは」、「あなたの」、「あなたを」が何度も使われています。これは即ち「私」なのです。神様はアブラハムを通して、私に、このように仰っているのです。私たち一人一人が、このような神様の取り扱いを受けていることに気付かされます。
アブラハムは、一人の存在として、個人的に神様と真剣に向き合いましたが、実は、これがヤコブの信仰であり、ダビデの信仰であったことに思い至ります。神様の祝福を受けたいと思うなら、いかに神様と真剣に向き合うか、ひとえにこれに掛かっているのです。
アブラハムの家系からイエス・キリストが生まれることによって、人類は大いなる祝福を受けました。極東にあるこの私たちまでもが祝福に与っています。まさしくアブラハムは多くの者の父となったのです。
また、「あなたをのろう者をわたしはのろう」という神様のことばを、不可解と思われる方もあるかもしれない。みなさんが、神様を愛し従っていくときに、これに悪意を持ち、妨害したり、災いをもたらしたりするものを、神様は決して放ってはおかない。それほどまでに、神様は、私たちを愛してくださっています。ロマ書12:19にもあります。
「愛する人たち、自分で復讐してはいけません。神の怒りに任せなさい。…復讐はわたしのすることである。わたしが報いをする、と主は言われる」
ですから、恐れることなく、心から神様を信じて、アブラハムとともに、約束の地カナンへと進んで行こうではありませんか。もしそこに仇する者があったとしても、神様は、御自身の御名のゆえに、決着をつけてくださいます。私たちは、アブラハムとともに、はっきりとこの世と離別しましょう。離別というと物議を醸すかもしれません。これは極端な反社会的な行動をとるということではありません。謂わんとするところは、究極の目標である地カナンにしっかりと目を留めて、これを妨げるものは、未練があろうが、情があろうが、断ち切っていくべきということです。「そうすればわたしは、あなたを祝福する」と神様は言われます。この生き方を学んでいきましょう。
※説教は半分の長さに編集しております。プロジェクターで用いた資料などは割愛しています。文責:中ぶんな
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