脱皮
「羽化しました」。毎年そうお電話をいただくたびに、カメラを持って急行していた。このN夫人宅の蝶はただの蝶ではない。アゲハは、自分の声を聞き分け、心を解っていると信じ、アゲハが卵のときから毎日声掛けをして育てたものなのだ。
ある旅立ちの日、アゲハは、N夫人の回りを、まるで別れを惜しむかのように何度か旋回し、肩や背中にとまってから、大空に旅立っていったという。
こんど羽化したアゲハはどんな行動をとっているか、なにか変ったことはなかったか、そんな興味もあって毎年見せていただいている。
秋に蛹になったアゲハが、きのう羽化。 屋内が温かかったのか、はやいめに脱皮したのだろう。はちみつを薄めたものを皿に準備してあった。
これは蛹だが、抜けがら。ふつうはベージュ色、茶色なのだが、きれいな薄緑だった。
まだよわよわしい。
30分ほど経ってから見ると、羽を広げていた。
カラスアゲハだ。
何度見ても、この蝶の変化ほど奇想天外なものはないと思う。球形から、白の斑の黒い芋虫となり、こんどはきれいな緑色の芋虫となり、ついに見事な蝶に脱皮する。これから温かくなってくると、そこかしこで目にすることだろう。
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