脈々と
この雪の下には、カキツバタ群落が眠っているのです。初夏にはきまって爽やかに青く咲く。カキツバタばかりではない、ワスレナグサやタンポポやシロツメクサ、そして名も知られぬ草花も。いまは見えないだけなのです。この雪の下には、たくさんの命が脈々と生きている。そう、もしかすれば、ほんとうは、この雪の下でも、いまこのときにも咲いているのかもしれません。
川に下りる道はないと思っていました。けれども近づいてみると、踏み固められた細い道が、緩やかに川べりに続いています。大人の足跡や子どもの足跡がくっきりとついています。ネコの足跡もありました。犬の足跡もついています。そして鳥の足跡も。人の足跡を、踏み外さないように辿ってゆくと、青く澄み切った水底には、まるで世の哲理を悟ったかの石たちが、黙して、白鳥の水かきの下に、明晰に照り映えておりました。
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