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きょうのことば 『ヤコブの神』ーその1

日曜日は、インマヌエル盛岡キリスト教会(℡019-646-2924)國光勝美牧師の聖書からのメッセージを、一週間遅れで掲載しております。きょうは2013年2 月10日の 説教です。

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【聖書引証】詩篇146:1~10

1 ハレルヤ。私のたましいよ。をほめたたえよ。
2 私の生きているかぎり、をほめたたえよう。いのちのあるかぎり、私の神に、ほめ歌を歌おう。
3 君主たちにたよってはならない。救いのない人間の子に。
4 霊が出て行くと、人はおのれの土に帰り、その日のうちに彼のもろもろの計画は滅びうせる。
5 幸いなことよ。ヤコブの神を助けとし、その神、に望みを置く者は。
6 主は天と地と海とその中のいっさいを造った方。とこしえまでも真実を守り、
7 しいたげられる者のためにさばきを行い、飢えた者にパンを与える方。は捕らわれ人を解放される。
8 は盲人の目をあけ、はかがんでいる者を起こされる。は正しい者を愛し、
9 は在留異国人を守り、みなしごとやもめをささえられる。しかし主は悪者の道を曲げられる。
10 は、とこしえまでも統べ治められる。シオンよ。あなたの神は代々にいます。ハレルヤ。


【説教】
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 聖書の中には、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神とt続けて記されているところがあります。詩篇146篇では、ヤコブの神と書かれていますが、神様がヤコブに備えてくださった大路とは、いったいどのような路だったのでしょうか。これを知るには、ヤコブがどのような信仰を歩んだかを見るべきでしょう。

 
それを学ぶに当たって、先ず、ヤコブたちが、どんな人間性をもっていたか、その本質をリビングバイブルで読んでみます。リビングバイルは、聖書に全く即しているというわけではありませんが、聖書を解りやすく砕いて書かれています。

先ず創世記2521

イサクは、リベカに子供ができるようにと、神様に祈りました。結婚して何年もたつのに、なかなか子供ができなかったからです。ようやく彼女は妊娠しました。ところが、まるで二人の子供がお腹の中でけんかをしているような痛さなのです。「とてもつらくて、我慢できないわ」と、リベカはこぼしました。あまりの痛さに、どうなることかと心配で、神様に祈ったほどです。神様の答えはこうでした。「おまえのお腹にいる2人の子供は、2つの国となり、互いにライバルとなる。そして一方がより強くなり、兄は弟に仕える。

言われたとおり、ふたごが生まれました。最初の子は、体中が赤い毛でおおわれ、まるで毛皮を来ているみたいだったので、エサウ(「毛」の意)と名づけました。次に生れた弟はエサウのかかとをつかんでいました。そこでヤコブ(「つかむ人」の意)と呼ばれました。ふたごが生まれた時、イサクは60歳でした。やがて子供たちは成長し、エサウは腕のいい猟師となりましたが、ヤコブのほうは穏やかな性格で、家にいるのが好きでした。イサクのお気に入りはエサウです。鹿の肉をよく持ってきたからです。リベカはヤコブのほうをかわいがりました。

ある日ヤコブがシチューを作っていると、エサウが疲れ切った様子で猟から帰って来ました。「あーあ、腹ペコで死にそうだ、その赤いやつを一口くれよ。」。このことからエサウは「エドム」(「赤い物」の意)とあだ名されるようになりました。

「ああ、いいよ。兄さんの持ってる長男の権利と引き換えならな。」

「今にも飢え死にしそうなんだぜ。長男の権利なんか何の役に立つんだい」

「そんなら兄さん、その権利を僕に譲るって、神様の前で誓ってくれよ。」

言われたとおりエサウは誓い、長男の権利を弟に売り渡しました。わずかばかりのパンと豆のシチューと引き換えにです。エサウはお腹いっぱい食べることしか頭にありません。長男の権利のことなど、軽蔑していたのです。

またもう一個所、創世記27章を同じくリビングバイブルで読んでみましょう。 

イサクは年をとり、目がほとんど見えなくなりました。そんなある日、長男のエサウを呼んだのです。

「エサウかい?」

「はい。何ですか、お父さん。」

「わしももう年だ。いつお迎えが来るかわからない。これから鹿を捕ってきてくれないか。わしの好きな鹿肉料理、知ってるな。あの実にうまい、何とも言えない味のやつだ。あれを作って持ってきてくれ。死ぬ前に、長男のお前を祝福したいのだ。」

ところが、2人の話をリベカが盗み聞きしていたのです。エサウが鹿の肉を捕りに出かけてしまうと、彼女はヤコブを呼び、一部始終を話しました。

「さあ、言うとおりにするんですよ。群れの中から子やぎを2頭引いておいで。お父さんの好きな料理をつくらなくちゃね。それをお父さんのところへ持ってお行き。食べ終わったら、お父さんは亡くなる前に、エサウではなく、お前を祝福してくださるよ。」

「だけどお母さん、そんあに簡単にだませやしませんよ。第一、兄さんは毛深いのに僕の肌はこんなにすべすべだ。お父さんがさわったら、すぐばれてしまう。そのあげく、お父さんはばかにされたと思って、祝福するどころか、のろうに決まってますよ。」

「もしそんなことになったら、私が代わりにのろいを受けます。今は言うとおりにすればいいのよ。さあ、何をぐずぐずしているの。早く山羊を引いておいで。」

ヤコブは言われたとおりにしました。連れてきた子やぎで、リベカは夫の好物の料理を作りました。それから、家の中に置いてあったエサウのいちばん長い服を出して、ヤコブに着せました。また、山羊の毛皮で手袋を作って渡し、首の回りにも毛皮を巻きました。あとは、おいしそうなにおいのしている肉と焼きたてのパンを渡して、準備完了です。ヤコブは内心びくびくしながら、皿を持って父親の寝室に入りました。

「お父さん。」

「何だね。その声はエサウかい?それともヤコブかい?」

「長男のエサウですよ。お父さんのおっしゃるとおりにしました。ほら、お父さんが食べたがってたおいしい鹿の肉ですよ。床の上に座って食べてください。そのあとで、ぼくを祝福してください。

「そりゃあまた、ずいぶん早く鹿をつかまえたもんだな。」

「ええ、神様がすぐ見つかるようにしてくださったんですよ。」

「それはそうと、ちょっとこっちへおいで。ほんとうにエサウかどうか、さわって確かめるからな。」

そばへ行ったヤコブを、イサクは手でなで回しながら、ひとり言のようにつぶやきます。「声はヤコブにそっくりだが、この手はどう考えてもエサウの手だ。」

まんまと計略にひっかかりました。もう祝福はこっちのものです。

「おまえ、ほんとうにエサウかい?」

「ええ、もちろんですとも。」

「じゃ、鹿の肉を持っておいで。それを食べて、心からおまえを祝福しよう。」

ヤコブが料理を持ってくると、イサクは喜んで食べ、いっしょに持って来たぶどう酒も飲みます。

「さあここへ来て、わしにキスしてくれ。」

ヤコブは父のそばへ行き、頬にキスをします。イサクは息子の服のにおいをかぎ、ついにエサウだと思い込むのです。

「わが子の体は、神様の恵みをたっぷりいただいた大地と野原の快いにおいでいっぱいだ。神様がいつも十分な雨を降らせ、豊かな収穫と新しいぶどう酒を与えてくださいますように。たくさんの国がおまえの奴隷となるだろう。おまえは兄弟たちの主人となる。親類中がおまえに腰をかがめ、頭を下げる。おまえをのろう者はみなのろわれ、おまえを祝福する者はすべて祝福される。」

イサクがヤコブを祝福し、ヤコブがまさに部屋を出ようとした時、エサウが狩りから戻りました。彼もまた父の好物の料理を用意し、急いで持って来たのです。

「さあさあ、お父さん、鹿の肉を持ってきましたよ。起きあがって食べてください。そのあとで、約束どおりぼくを祝福してください。」

「何だと、おまえはいったいだれだ。」

「いやだなあ、ぼくですよ。長男のエサウですよ。」

なんということでしょう。イサクは見る間にぶるぶる震えだしました。

「じゃあ、ついさっき鹿の肉を持って来たのはだれだったのだ。わしはそれを食べて、その男を祝福してしまった。いったん祝福した以上、今さら取り消すことはできない。」

あまりのショックに、エサウは気が動転してしまいました。わあわあ泣きわめくばかりです。

「そんな、ひどいですよ、お父さん。ぼくを、ぼくを祝福してください。ね、後生だから。」

「かわいそうだが、聞いてやれないな。おまえの弟がわしをだましたのだ。そして、おまえの祝福を奪ってしまった。」

「ふん、ヤコブのやつめ、全く名前どおりだぜ。『だます者』(ヤコブという名には、この意味もある)とは、よく言ったもんだ。やつは長男の権利も奪った。それじゃ足りず、今度は祝福を盗んだってわけか。お父さん、念のため聞きますが、祝福し残したことは、一つもないんですか。」

「すまんが、わしはあれを、おまえの主人にしてしまった。おまえばかりじゃない。ほかの親類の者もみな、あれの召使になるようにと祈った。穀物やぶどう酒が豊かに与えられるとも保障してしまったし…、ほかにいったい何が残っているというのだ。」

「それじゃあ、ぼくにはもう何も祝福が残っていないとおっしゃるのですか。あんまりだ、お父さん。何とかならないんですか。ねえ、ぼくも祝福してくださいよ。」

イサクは何と言ってよいかわかりません。エサウは泣き続けます。

「おまえは一生苦労が絶えないだろう。自分の道を剣で切り開いていかなければならないからな。しばらくは弟に仕えるが、結局はたもとを分かち、自由になるだろう。」

このことがあってから、エサウは、ヤコブの仕打ちを根に持つようになりました。「おやじも長いことはない。そうなったら見てろ、ヤコブのやつ、必ず殺してやるからな!」

ところが、このたくらみは感づかれてしまったのです。直ちに、リベカのところにその報告がきました。リベカは急いでヤコブを呼びにやり、エサウがいのちをねらっていることを教えました。

「いいね、カランのラバン伯父さんのところへ逃げるんだよ。ほとぼりが冷めるまで、しばらくやっかいになるといいよ。そのうち兄さんも、おまえのしたことを忘れるでしょう。そうなったら知らせるからね。一日のうちに息子を二人とも失うなんて、とてもたえられないわ。」

                次ページにつづく

 

 

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