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立川ゆかり氏の『是空の作家・光瀬龍』連載第11回ーSFマガジン12月号(早川書房)ー

いわての文芸誌『天気図』を率いる編集長である立川ゆかり氏の『是空の作家・光瀬龍』連載第11回(SFマガジン12月号 早川書房)が出ました。
 運動のためにも歩いて、盛岡市大通にある書店に行ってきました。棚には最後の一冊が。あと一分遅れたなら、もう売り切れていたかも。立川氏の躍進は、即ち『天気図』同人の躍進にもつながると、毎号応援しています。

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 今回、立川氏は、洗足学園の教員としての光瀬をズームアップ。筆名は光瀬だが、教師としては飯塚先生である。光瀬は、作家と教員という二足のワラジだった。となれば、必ず、どちらかが疎かになるか、からだをこわすかしかないと思いきや、教師は教師として、生徒の共感を得られる存在であったようだ。説教されたいと生徒に言わしめる教師などそうざらにいるものではない。

 さて、光瀬はどのような方法を用いて、どのような「お説教」をしたのだろうか。担任クラスでは生徒との間に交換日記を設けている。その中から2篇、紹介されているが、ただ単なるお説教ではなく、あるときには文学作品などを提示、或いは、それに光瀬が自作のストーリーを書き足すなどしているところは流石である。これがまた実におもしろいのだ。是非読んでいただきたい。

 教員のなかでは目立たぬように、作家然とした態度には極力気をつけていたらしい。ならば家族に対してはというと、これも意外や意外のサービス。
 作家というとどこか非日常的であり、奇想天外であり、アブノーマルだろうと、ややもすると探りたくもなるのだが、この評伝で光瀬を辿れば辿るほど、小説のおもしろさを書くには、何も必ずしも数奇な人生を生きる必要はないと教えられるのだ。ただしそこには厳しい創作態度の持続があるのだが。

 妻千歳に内緒でアパートを借りたこともあるようだ。立川氏は資料に基づいて、これを、光瀬が特に『百億の夜と千億の夜』を執筆するために借りたこと、そして、光瀬がこの作品に、どれほどすべてをかけていたかを
述べている。家庭の煩雑さからも逃れて、というよりは、一定時間独立しての独自の創作の時間を持ったようだ。互いに信頼し、尊重しあった夫婦像も鮮やかに掘り出されている。

 

 
 

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