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立川ゆかり氏の『是空の作家・光瀬龍』連載第10回ーSFマガジン11月号(早川書房)ー

 立川ゆかり氏の『是空の作家・光瀬龍』の連載第10回が掲載されたSFマガジン11月号が出ています。

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 この稿によれば、1960~70年代、テレビや雑誌の普及とともに、SFは文化として認められ始めたようです。SF作家たちも様々な媒体に活躍の場を広げていったとあります。
 光瀬の交流したSF関係者は、「今日泊亜蘭をはじめ、小松左京、星新一、柴野拓美、眉村卓、豊田有恒、筒井康隆、半村良、平井和正、手塚治虫(このほかにも多くいらしたようですが)」といった顔触れ。
 これらの錚々たる作家たちがどこに集まり、どんな話題に沸いていたか、殊にも、光瀬がもっとも親交を深めたのは、大先輩作家の今日泊亜蘭だったという。さてこの今日泊と光瀬が何に興じていたかは意外や意外、大の作家たちが? そう思ってしまうのだが、これをめぐっての会話がまた作家ならではの面白さ!
 同じく東洋文化の作風の色濃い作風の
今日泊と光瀬だが、アメリカの戦後SFの見解は異なった。光瀬は真っ向からメスを入れる。さて親交深かったこの二人が対立するほどの見解の違いはどこにあったのか。これもお読みいただきたいところだ。
 光瀬は世話好きでもあった。生活感覚のない今日泊のために仕事の世話などしている。今日泊のほうも今日自分がSF作家としてあるのは光瀬のお陰だと感謝を厭わない。事実、今日泊は代表作『光の塔』で、主人公の水原宇宙少佐が黎竜四郎を慈しんでいるが、その想いは光瀬龍への想いであると立川氏はいう。
 SF作家たちとの付き合いが広くあった光瀬だが、SF作家の集まりから受ける刺激はほとんどなかったという。作品作りに役立ったのは、画家、演劇関係の人たちの付き合いからだった。そして、金森達、依光隆など、挿絵画家たちの名があげられている。
 また光瀬は、SF作家となっても教職を辞めない。これは生きがいであったという。ジュヴナイルSFを書く上で役立ったようだ。教職にあったときの取材に答えているのが、舞台プロデューサーをしている、文芸部だった山口千鶴子さんだ。
 生徒との交換日記に光瀬が書いたイラスト「新婚旅行用自動車」、これがもう実に楽しいイラスト。このブログでは決して見かけない楽しさといったらどうだろうか。是非本誌をご覧いただきたい。

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コメント

ぶんなさん、こんにちは。立川です。いつも掲載いただきありがとうございます。(o^-^o)
今回載せた作家や様々な方との交流は、ほんの一部なのです。もっと紹介したかったけれど、流れの関係で控えました。それにしても、取材というもの
は、とても大切なものですね。6年以上にもわたる奥様である千歳さまのご厚意と全面協力はもちろんのこと、根本(森田)先生や山口さんなど、学園関係の方の協力をもらったことで、光瀬先生の見えない部分を知ることができました。また、眉村先生や南山先生、金森先生が、無名の私からの取材を受けてくれたのは、奇跡でした。皆、お人柄のいいかたばかりでした。誤読や推理の評論も楽しいですが、やはり基本は事実と思っております。ぶんなさんも岩手の音楽関係の研究を長年にわたって続けてらっしゃる。いつもその熱意に敬服しております。これからも頑張ってください。

投稿: 立川ゆかり | 2012年10月 3日 (水) 09時55分

立川ゆかりさま
コメント有難うございます。
立川さんの取材の範囲がしだいに拡大されていき、そしてまた新たな方々からさまざまな証言をいただいている。
思えば、当時、三好京三先生、須知徳平先生とともに北の文学において、一時代お教えいただいた光瀬先生でした。立川さんのお陰で、このように詳しく知ることができ感謝しております。
私の音楽関連は、パソコンもなかった時代の、書きのこさねば消えてしまう市井の方々を微力ながら残したいと願っているのですが、それこそ、なかなかです。
たしかに立川さんが書きこみたいと願ってらっしゃる事項はまだまだ多くあるのでしょう。光瀬先生の交友関係もこれだけであるはずがないのですね。
お忙しい時間の中で、仕事、文学、家庭とパワフルにこなしてらっしゃること、それこそ、敬服しております。
拙い私の〝作業〟にもエールを有難うございます。
次号を楽しみにお待ちしております。

投稿: 中ぶんな | 2012年10月 3日 (水) 19時27分

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