美しい田園風景
河川敷の窪みに川からあふれた雪解け水が流れ込んでいます。花巻に住んでいたとき、最初の住居から東北自動車道に架けられた橋を渡ると広々とした田圃が広がっていたのを思いだしました。春先に水が満たされたときの景観はそれはすばらしいものでした。田は水の面に青空を映しその底を雲が悠然と流れるのです。からりと並んだ早苗が水面に風に揺れるさまも心安まる景観です。しかし、1年暮し、2年暮らすうちに、春になっても水が入らない田が増え、そして7年を経る頃には目に見えて休耕地が幅を利かせ、タンポポが群生するようになりました。田が畑となったところもあります。耕作が放棄された田畑もありました。数年で簡単に荒れ地になってしまうのです。
いまの住居の近く、隣接する町内にも小さな田圃が残っていて、宅地化に抵抗するかに稲を作っていましたが、ついにこのところも昨年宅地となり、田圃を見るためには盛岡市の郊外に行かなければ見ることができなくなりました。
TPP参加となれば、米生産は90パーセント無くなるそうです。米も除外は困難だということでした。食糧自給率も深刻ですが、水田耕作が創り出す豊かな景観が次々になくなってしまうと思うと残念でなりません。数十年後に上空から地上を見たならば、果たしてそこにはいったいどんな光景が広がっているのでしょうか。
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