「自然体 快心一投 金メダル」 ー円盤投げ 大井利江 選手ー
大井さんといえば、パラリンピックの円盤投げで、銀、銅のメダル保持者だ。2004年アテネで57歳で銀。2008年北京で60歳で銅。26㍍62㌢の世界記録保持者。
大井さんは、高校2年の時に漁師だった父親が亡くなる。大井さんは生計を支えるためにマグロ漁船に乗る。船長となるかの一歩手前で、39歳のとき、ミッドウェイ沖で操業中に時化に遭遇、重さ20キロの漁具が落下し頸椎を損傷、車椅子生活となった。ほんとうにドラマのような人生を歩まれている。
円盤投げを始めたばかりのときには8~10㍍という記録だったようだ。
私はこのブログに2008年9月に大江さんのことを書いている。その時に、ロンドンも目指すと聞き、えー、ほんとうですか? と内心思った。こんどといったら64歳じゃないですか。
それから2年ばかりは、今頃はあの公園で練習しているはずと種市町や洋野町を耳にするたびに思っていた。それが次第に、やっぱり大変じゃないかな大井さんとなり、しまいには、この震災で、自分の心のどこかが被災した関係で、すっかり消極病に冒され、これもキビシイだろうな、あれもムリだろう、となっていた。しかしきょうテレビに出られるはずと、久しぶりに拝見。ああ、やっぱり、ロンドンだと恐れ入った。ひどく愉快だった。須恵子夫人は大井さんが練習するときに、投げた円盤を拾っては大井さんに手渡すという役割を続けておられる。私にはもう既に須恵子夫人の胸には金メダルが輝いていると思う。常人の及びもつかない内助の功を成し遂げられている。
このTV出演で大井さんが色紙に書かれた言葉は、
「自然体 快心一投 金メダル」。
快心一投
この言葉が私には説得力をもって響いた。
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