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パッヘルベルの『カノン』

きょうは終日飽きもせずにパッヘルベルの『カノン』を聴きながら作業をしていた。
いつかもこのブログに書いたが、故梅村功二先生のお葬儀のときの追悼演奏がこの曲であった。
 パッヘルベルはバロック中期の重要な作曲家。優れたオルガニストでもあったらしい。この『カノン』は、彼が作曲した曲の中では最も有名、というよりはこの曲だけが有名。単純で明るい旋律。作業をしているこちら側をぐいと曲の中に引込むというのではない。自分の体の中にある静かな波長によく共鳴してくれる。曲にかしずかせるということもなく、感性から何らかのエッセンスをわき出させ、それを汲み上げてくれる。よくセレモニーなどで使われるのもそんな理由からだろうか。

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  いまこうして聴きながら連想されるものとすれば、

 温められてまだ紅茶が注がれてはいないティーカップ。産着に包まれて安心しきって眠るにぎられた赤子の小さな手。おだやかな風を受け止めようとするかにさわさわと予感に鳴る樹上の葉叢。永遠に弛まず、永遠に途切れず、永遠に澄明に鳴る銀線。白いレースのカーテンに遠慮がちに落ちる春の日差し。鳴った気がして扉を開けるとそこにあるのはただ爽やかな雨上がりの大気。夜空に霊妙な距離を保ちながら、こぼれ落ちそうでこぼれず互いの存在をたしかめあうように静かにまたたきあう天空の星々。
 

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