モーツァルト・レクイエム演奏会を聴く~東日本大震災の犠牲者に捧ぐ~盛岡バッハ・カンタータ・フェライン 2011/6/19(日)
開演3時。待ち合わせた姉をじりじりする思いで待つ。もう駐車場に入れないのではないかという不安が過ぎった。ところが現れたときに訊くと、目の前で駐車スペースが一台分空き、速やかに駐車できたということだった。こうして開演には間に合うことができた。
対訳付きのプログラムの冒頭に茂木容子代表のごあいさつが載っていた。1ページに、東日本大震災のお見舞いが述べられ、その中に「同じ地域に住む私たちは、被災地の皆様のために何ができるか考えない日はありません」とあり心打たれました。
行けなかった方々のために一部分を転記すると、
「このような状況に私たちは、合唱活動をしているものとしていま何ができるかと考え、本日の演奏会を企画いたしました。大震災で亡くなられた多くの方々の御霊が安らかであられますように、また、大切なご家族を、ご友人を、お仲間を亡くされた皆様が、ひとときでも音楽の力によって心穏やかな時間を過ごされますように、ステージから心より願って演奏いたします。客席の皆様のお力をお借りできましたならば、きっとホールに満ちた祈りが必要とされている場所まで届けられることと思います。」
合唱団、ソリスト、指揮者、オルガン奏者が間近な席に。今回は音盤では今一つ物足りない声楽の霊妙さ、響きの豊かさといったものに目を見開かれた。音楽に臨むときの姿勢によって、音楽から受け取ることができるものに違いを生じることがあるけれども、様々な側面から感動に満ちたというよりも感動が根のように下支えしているかのような力強さ凄さ、説得力を覚えた演奏だった。
きょうのこのきょうばかりの演奏の終演がほんとうに惜しまれた。
最後に「東日本大震災の犠牲者の魂のよみがえり、永遠の命を願って、ともに祈り歌いましょう」という佐々木正利先生のエスコートで、讃美歌『球根の中には』の合唱。鎮魂を祈りながら観客席とステージが一つとなっての大合唱がホールに満ちた。
演奏会での差益、会場での募金、会メンバーからの篤志は、今回の主催であるIBCの岩手放送を通じて東日本大震災の義援金となるそうです。
☆捧げられた曲 および 演奏者☆
大中寅二 交声曲「主よあわれみ給え」(守山ふみか作詞)より、弟1章『オルガン前奏曲』、 弟2章『主よわれをあわれみ給え』。オルガン:平井良子
J.S.バッハ モテット2番「御霊はわれらの弱きを助けたもう」BWV226 オルガン:平井良子
W.A.モーツァルト レクィエム ニ短調 KV626。 独唱:村元彩夏(ソプラノ)、谷地畝晶子(アルト)、鏡貴之(テノール)、佐々木直樹(バス)。オルガン:飯靖子
讃美歌 「球根の中には」 盛岡バッハ・カンタータ・フェライン&観客約1000人
指揮:佐々木正利
主催:盛岡バッハ・カンタータ・フェライン IBC岩手放送
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