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Lumiere~リュミエール~ 木島由美子 作品集 

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木島由美子 作品集 Lumiere~リュミエール~

 作曲というものに大変興味をもっていました。たまたま山形交響楽団の演奏の評といったものを知りたくネットを泳いでいたところ、木島さんのブログ「うにの五線ノート…」に打ち上げられ、女性作曲家うにさんの存在を知ったわけです。家庭を持ち、子育ても果たしながらの作曲とは、そこからはいったいどんな曲想が生まれるのだろう。
 それが4月には作品集が出、しかもインターネット販売も。山形交響楽団音楽監督飯森範親氏は「木島さんの作風は、どこか懐かしいメロディー、そして日本人の温かさ、思い遣りを感じさせてくれるハーモニーが特徴です。なにか心を癒してくれる、そんなCDです。」と推薦している。プログラムは、

*歌に会いにでかけよう 
  Mezzo soprano:高橋直子 Piano:菅野清香

*働くオンナの事情

 Part 1:アクマの天国
 Part 2:夢の扉
 Part 3:仕事帰りのあこがれ
  Mezzo soprano:高橋直子 Piano:木島由美子

*ソナタ「玉響(たまゆら)」  

 1mvt.現世(うつしよ)
 2mvt.幻影(まぼろし)
 3mvt.遊戯(たわむれ)
  Clarinet:佐藤明 Piano:小林路子

*紫苑

  Trumpet:井上直樹 Piano:小林路子

*Lumiere~彩り~

  Bass Trombone:高橋智広 Piano:前田ひろみ

 さっそく購入、聴いてみました。「アクマの天国」といえば、悪魔賛歌かと勘違いしそうですが、これはクリエーターが締め切りに迫られカリカリ、キリキリしてしまう心境の率直な表現。直截だからこそその渦中にある者を大いに頷かせてしまうのでは。「夢の扉」「仕事帰りのあこがれ」はうにさん作詞。家事山盛りのなかで作曲に挑み続けるうにさんの等身大の曲で、ミュージカルの一場面を聴いているかの楽しさがある。それでも前進あるのみのピアノの響きもポジティブ思考を掻きたててくれる。興味深く聴いた「玉響」。『現世』、諸々の現象を提示するかのクラリネットの旋律に、ピアノが滴の音を聴きわけながら水の面に揺らめいている。『幻影』、静寂の向こうに潜むものに耳を澄まし微かな光明を聞き分けようとするかのクラリネットの響き。沈潜してゆくピアノに曲折を織りなすクラリネット。最後のピアノの響きが葬送とも聞こえる。幻がひつと姿をくらます。『遊戯』、逸脱しそうな音色が翻っては躍動に踊る。箏曲の現代曲のような響きが印象的。「紫苑」、作曲依頼者井上氏の依頼の要素の一つ、秋の夕暮れのような曲、というまさしく樹木の影の濃さまでが見えてくる。稜線にのこる夕陽の輝きと鳴るトランペット。やがて星がかかり瞬きはじめる。Lumiere~彩り~ 」、トロンボーンが主役の曲。主導権はこちらこちらというトロンボーンにピアノの駆け足と聴かせながらともに相容れて存在感を示し合ってゆく面白さ。
 うにさんの“実験工房”出身の曲をじっくりと聴かせていただきました。女性として家庭での役割をまた社会的な役割をもこなしながらの作曲がどのようなものか、すこしわかりかけています。わたしは沿道の旗振りの一人にすぎませんが、東北でただ一人(たぶん)の女性作曲家のいよいよの“力走”が楽しみです。

 

 

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音楽」カテゴリの記事

コメント

やっとご訪問できました。

ご紹介ありがとうございます!しかもジャケットまで…うれしいです。

それぞれの演奏者が、ものすごくこだわりの楽器を使っていて、「楽譜は頂けますか」と問い合わせがありますが、楽譜をそのまま演奏してもこの通りの演奏にはならないし、はつらいのではないかと思ったりします。特に「玉響」は世界でもごく一部の奏者しか使っていないドイツ管特有の音ですから、一般的に使われているフレンチ管では扱いにくいでしょう…そんな曲作ってどうするんだという声が聞こえてきそうですが…。

演奏家や聴いてくださるかたに媚びる作品は書くつもりは毛頭ありませんが、それでもこうして仕事を頂けるのが何より幸せです。

いつも応援ありがとうございます。パソコンを開くのが楽しみですし、とても励みになります。
これからもがんばります!

追記:作曲家協議会東北支部に登録している女性が私一人なだけでして、女性作曲家は他にもいらっしゃると思います〜。

投稿: うに・木島由美子 | 2011年5月20日 (金) 13時44分

うに・木島由美子さま
ご紹介申し上げるにあたって、敬称は「氏」か「先生」かと迷いつつ、うにさんはうにさんだ、という手前勝手な理由で「さん」付けに。
音楽評が何かに載りましたら、うにさんのブログに掲載していただければと思います。
山響に興味をもったのは、盛岡バッハ・カンタータ・フェラインのyocomoさんがきっかけでした。それがうにさんの作曲への興味と繋がりました。面白いものです。「玉響」の一人歩きが待ち遠しいです。
「働く女の事情」、実験的作品は以前はあまり好みませんでしたが、詩の直截なところが身につまされ、意識が変わりました。
うにさんの頭の中で鳴る音の総てが譜面に並ぶことを願っています。
削除命令が出なかったことに先ずはほっとしています。
クラリネットの響き、なかなかに奥行きがありますね。

投稿: 中ぶんな | 2011年5月20日 (金) 23時20分

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