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内田光子さん最優秀インストゥルメンタル・ソリスト演奏賞

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 きょうブログのカウント数がいつもの3倍となり夜中の零時まではまだ若干入るかもしれない。検索ワードのほとんどが「内田光子」。数年前にこのブログに内田さんのDVD「カメラータ・ザルツブルク」の付録のインタヴューを書いたことがあるが、これがクリックされている。はは~ん、内田光子さんに何かが起きている。この波に迎合となるか悪のりとなるか判断がつきかねたが、さっそく検索してみると、
 「音楽界最高峰の授賞式「第53回グラミー賞」の発表が14日(現地時間13日)、ロサンゼルス「ステープルズ・センター」で開催され、クラシックのピアニスト内田光子さん(62)が、アルバム「内田光子/モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番・第24番」で最優秀インストゥルメンタル・ソリスト演奏賞を受賞した。」(毎日新聞デジタル)
 これだったのだ。内田さんから発散される芸術的なオーラは実に魅力的だ。それに惹かれて一時期は毎晩彼女のすがたを見ながらその演奏に浸ったものだ。彼女が打ち出してくれる響きにはニンフたちがはたらいている。

 最近になってからベルリン・フィルの台所事情を探るべく、 「ベルフィル・ラウンジ」第26号に訪問したのだが、そのときにベルリン・フィル演奏会批評で内田さんが取上げられているのを知り、ほんとうにここまでと尊敬の念を持ちつつ読んだのだが、
 2010年2月にはラトルの指揮でベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲を演奏し、極めて高い評価を得たという。2008/09年シーズンにはベルリン・フィルのピアニスト・イン・レジデンスに就任。各紙は絶賛。手厳しいといわれる『ターゲスシュピーゲル』紙のハンセン氏も手放しで絶賛している。

 「ベートーヴェン&シベリウス・ツィクルスの2日目、観客は3つの偉大な作品を体験した幸福感に満たされながら家路についた。内田光子は、音楽が一瞬の芸 術であることを伝えるたぐい稀な芸術家である。彼女がベートーヴェンの第2&3コンチェルトを弾くと、そこでは指揮者、オーケストラとの霊感に満ちた対話 が聴かれるだけではない。聴衆のひとりひとりが、自分のためだけに弾いてもらったかのような気持ちになるのである。彼女のスタンウェイは、メタリックな華 やかさに陥ることは決してなく、力強く、人間的に、親しみやすく響いた。彼女にとっては、技巧性はまったく重要でなく、むしろ生き生きとした感覚の方が重 要なのである。彼女は音楽を言葉として理解しているが、それは独白ではなく、常に聴き手に向けられている。彼女は語りの名人であり、その調子は決して退屈 になることはない。彼女のフレージングは最後の一音に至るまで活力でみなぎり、音楽は雄弁でありながら、誰にでも分かる明快さを失わない。そしてベルリ ン・フィルは、彼女のウィットに溢れた語りかけに、喜んで応えたのである(2010年2月11日付け『ターゲスシュピーゲル』フレデリク・ハンセン)

 わたしの中では内田さんといえばモーツァルトのピアノ協奏曲という概念が出来上がっている。殊にも私にとっての20番は演奏に取り込まれてしまうほどの説得力である。ところがというか、やはりというべきか、内田さんはベートーヴェン、シベリウスでもこのような評価を受けていたのだ。

 しかしやはり
最優秀インストゥルメンタル・ソリスト演奏賞はモーツァルト:ピアノ協奏曲第23番・第24番だった。あの一見コケティッシュな側面をも持ち、しかしその裏に深い悲しみをやどすモーツァルトも彼処で大いに頷いているのではなかろうか。
 62歳での受賞は後進の励ましともなるものだ。内田さんは「カメラータ・ザルツブルク」の付録のインタヴューの中で、「70歳でバッハを」と語られている。内田さんが10年後、こんどは何を“しでかす”かが楽しみだ。
  

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