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朝比奈隆とベートーヴェン交響曲第5番「運命」

 朝比奈隆の主要レパートリーはブルックナーの交響曲とベートーヴェンの交響曲だ。ただ、いまここでは朝比奈と第5番「運命」との関わりの妙を意識する。

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「最後のベートーベン交響曲全集」より大阪フィルとのリハーサルで「運命」の冒頭を振る朝比奈               

 朝比奈隆は1944年満州に渡りハルビン交響楽団と新京交響楽団を視察。45年には関東軍の嘱託として、常任指揮者に就任している。朝比奈の満州時代の音楽活動は満州侵略下での一つの記録であるといえるように思う。45年8月15日まで朝比奈はハルビン交響楽団で、やはりベートーヴェンの全交響曲の連続演奏をしていた。そして第5番「運命」の練習中に玉音放送だったという(三井実雄は何も知らされなかったともいっているが)。朝比奈は特務機関の庇護を受けていたハルビン交響楽団の指揮者であったわけで、捕まればシベリア送りだった。しかし朝比奈に恩恵を蒙った朝鮮人の音楽家林元植の自宅に匿われ命を繋いだ。

 朝比奈は1951~2000年のあいだベートーヴェンの交響曲連続演奏会を9回行っている。指揮者としての最高齢だったストコフスキーの95歳(演奏会出演は93歳まで)を追い越そうとしていたらしいが、2001年10月93歳で死去した。最期のステージは2001年10月の名古屋公演でチャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番(ピアノ小山実稚恵)と、交響曲弟5番だった。

 2002年のシンフォニー・ホールでの「お別れの会」では朝比奈千足の指揮で、遺志に従ってベートーヴェンの交響曲弟7番第2楽章が演奏されている。式は無宗教で行われたらしい。

 ベートーヴェンの交響曲弟7番、これはわたしが一時期さまざまな指揮者の盤を聴き漁った曲だ。朝比奈が最期のお別れの会用として7番を選曲したことには最近気付いた。

 


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