個人で林業の実情を見聞するのはなかなか困難なので、9月2日の市政見学会に参加してみた。市では現在2800㌶の森林を管理している。
先ずは、盛岡市のマイクロバス「せきれい」で、森林整備の現場である盛岡市根田茂地区にある金山沢市有林に移動。
「この市有林は、盛岡市の南東に位置する根田茂地区にあり、盛岡の中心部から20キロほど離れています。小・中学校へ通うためのスクールバスはありますが、路線バスは通っていません。根田茂地区の平成12年国勢調査人口は72人。平成7年の人口は174人。急激に人口が減少したのは、簗川ダム建設に伴う移転が影響しています。
根田茂小学校は平成10年3月に閉校しました。当時の児童数は11人。へき地教育賞を受賞したこともあるそうです。」(ウェブもりおか)
真ん中が沢口さん
説明は、この地区で60年山仕事に従事している沢口さん。伐採の実演はご子息。沢口さんはマタギでもあり、鉄砲歴は45年。親子熊3頭との遭遇に身振り手振りで行き過ぎさせた経験など、間伐よりもクマの話が長く、面白かった。後継者であるご子息、チェンソーさばき鮮やかに見学のあいだに10本は伐ったのです。根元を伐ったにも拘わらず隣の木に引っかかって倒れない木も、躊躇わずに中途を切断、ばさりと地に下したのでした。
「この林、12㌶に平成元年に植林、約20年経っている。植林して5年で伐採を始めるが、不要なものでもいっぺんに全部は伐らない。一町歩単位で、混んできた様子を見ながら、将来性のないものや細いものから伐る。杉は有用で50年で伐採の時期を迎える」と沢口さん。沢口さんは叙勲している。それと沢口さんのお名前がたしか「ひろみ」さんと聞いたが、これもどういう漢字を書くのか、質問しかねた。思えばこのような現場に携わり重要な仕事をしてくださっている方のお名前をこそ確かめるべきだった。
昔はこの植林、間伐、伐採を7、8人体勢でこなしていたそうです。それが今では4人と半減。木が4㍍以上になると、枝打ちも厳しいという。増員が求められます。
手渡されたパンフレット「市産材を使おう!」にあるとおり、「森林は山崩れや洪水を防いだり、水や空気をきれいにする」「木材は建材や家具材となる」。いま森林は、「細い木が混み合い、昼でも薄暗く林の中は草も生えないむき出しの地面であり、こんな森林が増えると、山崩れや洪水の多発、渇水の多発を招く恐れがある」。外材に押され、木が売れなくなった、或いは売れても安値となる。森林所有者は森林の手入れをする費用を賄うことが難しくなっている。いま一番必要な森林の手入れは、木が光を得られるように木を伐ること、間伐です。
次はバスでさらに峠道を登り、長倉峠で休憩。市提供の冷茶をいただく。霧で見晴らしはありませんでした。以下は長倉峠の花です。葛もいたるところに繁茂。よい香りを漂わせていましたが、花がすこし過ぎていました。
今回は市の企画であるから、市産材のコマーシャルをすべきなのだが、合わせて
森林を守るために、国産材、県産材、市産材を買おう!!
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