「編物する女」ー黒田清輝ー
「編物する女」(明治23年黒田清輝美術館蔵)
編物? 平凡だ。時間の浪費でしかない。そんなふうに思っていた時期がありました。齢を重ねるにつれ、手仕事の良さが分かるようになりました。時間を無為に過ごさない、あるものを無駄にしない、家族、友人、知人に喜んで貰える等など。ただ、私の場合は、人様に喜んでいただけるほどのものを仕上げたためしがありません。そんなことはともかく、このデッサンには一極集中している美しさが感じられます。細かな一目一目をはずさないように意識を集中させている。編物をする姿を捕える視線に愛情が感じられます。
実家の母はよく自分のセーターをほどいては子どもたちに編んでいました。手仕事が好きで、習ったことがなくとも何でも見よう見まねで作っていました。母の作った洋服、セーター、バック、壁掛け、靴下、手袋を思い出します。布製の手提げ、小物入れは今でも重宝しています。
手仕事は手仕事でも、きょうの午後私は庭に置くテーブルの塗り替えに挑戦しました。色を塗るのは比較的簡単ですが、古い塗りを鑢で取ったりするのにはけっこう時間がかかります。
丸太でふくろうを刻んだり、テーブルや椅子を作ったりできたならどんなに楽しかろうなどと考えて、はたと気づいたのは、どうやらわたしは女性の手仕事よりも男性の手仕事の方に面白さを覚えているようです。植木を剪定するのもそうです。強制されてやったことはありません。面白いのでやっています。トラ刈りにしてしまった木もあります。森林で木材を切り倒したら面白かろうとも思っています。森林は間伐などの担い手がなく、もはや壊滅状態、針葉樹林は近々ゴミの山となるのだそうです。森林ボランティアはいつでも必要とされています。このようなサークルにさえ入れば、山仕事のチャンスはいくらでもあるでしょう。ただこれは手仕事とは言えないかもしれません。
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