デジカメ写真/リニアコライダーに関する記事ー岩手日日新聞ー
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はなしは変りますが、岩手日日新聞によれば、5月16日に奥州市水沢区で以下のような講演があったようです。北上山地に関係することなので、転載しました。
東北加速器基礎科学研究会主催の国際リニアコライダー(ILC)講演会は15日、奥州市水沢区の市文化会館で開かれ、東京大学素粒子物理国際研究セン
ター准教授の山下了氏が「加速器で自然の謎に迫る」と題して講演した。ILCは同市を含む北上高地への誘致の可能性があることから、会場の大ホールに大勢
の市民らが詰め掛けた中、山下氏は「建設地は本当の意味での国際科学都市になる」と、世界でただ1カ所だけ建設されるILCの意義について語った。
同研究会は、ILCの東北誘致に向けた環境整備を目的に、東北の産学官31団体により2009年4月に設立。講演会はその活動の一環で、あいさつに立っ
た同研究会代表補佐の松澤伸介氏(東北経済連合会副会長)は「今年度総会で、東北誘致を想定した具体的な検討事項を整理するため分科会を設置することを決
めた」と、取り組みを紹介した。
また達増拓也知事は「これから数年間、ILC計画推進に当たって大変大事な時期になる。昨年度策定したいわて県民計画には、次世代技術創造いわて構想の
中に国際学術支援エリアの形成を盛り込んだ。本県から宮城県にかけて世界に誇る学術拠点とするための活動を行ってまいりたい」と支援を約束した。
講演では、山下氏が「加速器はさまざまな先端技術を結集して実現される。その結果、ブラウン管や放射線治療装置、電子顕微鏡、ポジトロン断層法
(PET)検査機、重粒子線がん治療などが生み出された」と、最も根本的な基礎科学の研究でありながら、結果的に人類に多くの成果をもたらしていることを
説明。
ILCについては、宇宙が誕生した137億年前のビッグバンから、1兆分の1秒後の宇宙の様子を知ることが目的であるとし「私たちが知っている(目に見
える)宇宙は4%だけで、ダークマター(暗黒物質)が23%、ダークエネルギーが73%を占めることが分かってきた。まさに『無知の知』であり、素粒子物
理は新たな幕開けの時を迎えた」と、期待が大きいことも強調した。
さらに「ILCは世界初の『世界の研究所』であり、建設地は本当の意味での国際科学都市になる。しっかり理解した上で支援してほしい」と協力を求めた。
質疑では「東北誘致が実現すれば研究者と家族が大勢居住することになるが、どのような環境整備が必要か」との質問に対し、「研究者と家族が最も大切にす
るのは子供でありインターナショナルスクールは絶対必要。宗教施設や娯楽施設、(所得、納税などの)法律的な問題へのケアも必要となる」との見解を示し
た。
「建設場所はいつごろ決まるのか」との問いに対しては「12年までに科学者サイドは技術的な詳細についてめどを立てる」と答えるにとどめた。
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