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「海外ジャーナリストが見た日本の農業・農村」

 音楽も聴きたい、聖書もメッセージもいいが、聖書に出てくる植物も面白そうと思いつつ、先日図書館で借り集めたのは農業関連。発行年の新しいものがあまりないので、数字などは不安。検索であらっ! 立松和平さんが、子ども向けの牧場ものを出していた。「酪農家族4 牛が学校にやってきた」河出書房新社 置き所は集密。楽しく書いたこんな本が沢山あったなら…

  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆

 興味ひかれたのが「海外ジャーナリストが見た日本の農業・農村」(平成20年刊)
 その中から、海外ジャーナリストの疑問は…

「日本の食糧自給率は非常に低い。米ばかり作っていてもうちょっと食用油になる菜種、大豆やカロリー自給率のあがるような作物(麦・飼料作物等)になぜ転換ができないのか。」
「減反政策で政府はどのような作物栽培を指導しているのか。何も植えられていないところもあった。」
 

 世界の食糧自給率の約半世紀の推移(農水省HP)
日本  1961年78㌫ 06年39㌫
輸出国以外の国では…
英国  1961年42㌫ 06年70㌫
スイス(欧州で一番低い)
     1961年51㌫ 06年49㌫
さらにEU(スイスは非加盟国)では農業や環境は条件不利地域の環境支払いの後押しを受けている。環境支払いはEUの人々にも支援されている。…日本のように食糧自給率を半減させた国は世界のどこにもない。  

 
「赤字なのに、何故酪農を続けるのか」。記者が質問する。
「酪農家には所得補填があるだろう。いくら貰えるんだ」とフィシュラー・元EU農業大臣。
 販売価格が下落したり、コストが急増した場合、欧州の農家は、一定の所得補填を受けることができる。しかし、日本にはない。 ー以上は著書からー

         

           

 本著ではアニマルウェルフェア(家畜福祉)にも触れている。EUでは家畜倫理の基準づくりが進んでいるようだ。こういった基準づくりの機運があるということは、既に見過ごしにできない実態があるからだろう。牛の断尾もそうだ。ヨーロッパの記者の目には牧草地や穀物畑が見えないことが不思議な酪農風景と映るようだ。牛舎につなぎ、輸入飼料を与えている場合にそう見えるわけだ。

 乳量をあげるためとは別に、ビヴァルディやモーツァルトを牛舎に流したらどうだろう。働く人々の気分を和らげることによって、家畜にたいする扱いも違ってきはしないか、或いは牛のストレスを軽減できるかもしれない、とたわいのないことを考えた。

 一番は農政がテコ入れしてくれることなのだろうが…

チリ地震津波で、養殖に被害。平均株価1万代を維持するも、経済に好転の兆しも薄。厳しい時世だ。

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