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食物の奪い合い

 朝まだき、心に賛美歌が流れた。 あっ、誰かがわたしの為にも祈っている。 いつも誰かに祈られ生かされているのだ。 祈りが何になるの? 祈るなんてナンセンス。眼に見える実効性なんか何もないじゃないの、そう思ったこともあった。けれども、いまは祈ることがどんなに大事かが分っている。眼に見える実効性など見えなくたっていいのさ、そう思ってさえいる。教会が、兄弟姉妹が、自分が真っ直ぐに進んで行けるように、たとえ倒れても起き上がることができるように祈ってくれているとしたらそれは素晴らしいことだ。

 庭の仕事をするにはまだ寒い。チューリップや水仙の芽がからりと出揃っている。芽の数で、また球根が増えたことがわかる。硝子戸には黄砂が雨に流れたさまが描き出され乾いている。簡単に硝子拭きをした。

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「人はパンのみによりて生くるにあらず」、「衣食足りて礼節を知る」こんな言葉が浮かんだ。食のことを言ったところで、いまや陳腐なだけという思いがある。農にしてみたところで、農業関係著書の目次を拾っただけで、いまや地球規模の政治、経済、環境問題などあり、予め海外の日本への思惑を知らなければ方向を打ち出すことさえできないのではないか。そんなことを思いつつ、またそちこち検索していたところ、下記の記事があった。最新情報だ。

  共産党の代表と研究者が一堂に会した「農業と林業の今と未来を考えるつどい」(14日高松市)があった。パネリストは、東京大学大学院の鈴木宣弘教授ら。鈴木教授は、日本が「農業過保護な国」と思われているが、食料生産の関連予算は減り続け、さらなる貿易自由化にさらされていると指摘。日豪、日米、 日・EUのFTAなど自由化が続くと食料自給率は12%まで落ちると警告。「食料政策予算は国家戦略として確保する必要がある」とのべた。

 また港氏は、JAが取り組んでいる「新たな共同」について説明。木村氏は、森が荒れた原因として、木材の輸入自由化と価格下落をあげ、「大きな支援が必要だ」と訴えた。

 有坂氏は、鳩山内閣の戸別所得補償の問題として(1)補償水準が低い(2)転作作物への補助が大幅に減額される(3)輸入自由化促進と一体で進め ている―と指摘。価格保障と所得補償の組み合わせで再生産を保障する、輸入自由化をやめ、関税の維持・強化―という党の提案を紹介。農林業を守り住み続け られる地域づくりへ共同を広げようと訴えた。ー2010年3月23日(火)のしんぶん赤旗ー

 日本は自給率を50㌫まで引き上げるとしているが、やはり輸入自由化に楔を打たなければ、いくら躍起となって資金を投入しても、穴の開いたボトルに水を溜めようとするような結果しか得られないのではないか。輸入自由化を阻止できない〝元凶〟がある限り自給率の引き上げは成らないのではないか。日本にとって、この〝元凶〟を有り難いと受けとめるか、尚もやむを得ないと泣き寝入るのか、まことの元凶として断固退けられるのか、ここに掛かっているのだろう。この内容は更に学んでみないことには、この程度で言えることではないと思う。ただ、原剛はこういっている。(94年時点でのことだが)「地球温暖化による降雨パターンの変化…オゾン破壊で増える有害な波長の紫外線のもたらす植物の光合成の低下による作物の減収、地球規模で進む環境破壊、食料の輸出国輸入国がいつも平和でいられるか、日本の貿易収支は黒字であり得るのか、今世紀末63億人になる人類に食料生産が十分間に合うのか。途上国の農業は生産ベースに追いつけない。日本が食料自給を低くして、外国から大量に輸入することは、飢餓に脅かされている途上国の国民から食料を奪う事にもなりかなない」

 先頃のハイチでの、チリでの食料の奪い合いには、何とも言われぬ思いがした。しかし、もし自給率を上げることに手をこまねいた場合には、あの食料を奪い合う光景が、国家規模で、というよりも地球規模で起きることになるのだろう。弱く貧しい国々が、人々がとことん搾取される構図だ。

2010年3月24日現在の世界人口は68億5698万3625人です。

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