雑感
ここのところサン=サーンス交響曲第3番第2楽章ばかり聴いている。歌謡曲、シャンソン、演歌、民族音楽も好きだが、調達する手間の要らないもので間に合わせている。ひところはヴェートーヴェンの7番だった。7番は繰り返しが多いだけに、どう変化をつけるかが難しく、また指揮者も奏者もとにかく忙しく休む暇がない曲だという。サン=サーンスの3番は、大樹のあいだをゆっくりと散策しその中から広がるパノラマを楽しんでいるような気分になれる。楽器がけっこう壮大なスケールで鳴り響くところでも、静寂は突き崩されない。感動しないという意味ではなく静寂を織りなす裏に聴きながら同時に表には音の量感をめいっぱい享受できる、そんな感じだ。
「パイプオルガンジョイントコンサート」のチラシがまだコルクボードにある。11月8日だったが行かないでしまった。美しいパイプオルガンの写真入りだ。きょうの一日を締めくくろうとするときになると何故か眼をあげてゆっくりと机のまわりを見回している自分がある。ミレーの「晩鐘」の写真の額。子どもの頃に姉たちといた部屋にも掛かっていた。観るたびに敬虔な想いになったものだ。右の壁には叔母の描いた水彩画。ザルにカレイが3枚のっている。花と魚が得意だ。
ボードの15枚の写真。一周忌を迎えようとしている母の顔。小岩井のキツネの顔が彫られた椅子に腰掛けている。
いつもはこんな時間でも近くのコンビニの車の発信音がしたり救急車の音がしているのだが、今晩は静かだ。ハードディスクの機械音がしているばかり。止めればしんとするだろう。きょうも一日が終わった。
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