園井恵子ー岩手県生まれの女優ー
岩手県松尾村編「園井恵子・資料集」-原爆が奪った未完の大女優ー
この著書の中に、盛内政志さんも追想を寄稿していた。盛内さんからは、岩手県芸術祭で幾度か表彰状を手渡して頂いている。そんなわけでお顔を存じ上げている。その盛内さんが昭和17年園井の楽屋を訪ね、小一時間話をなさっていたとは!盛内さん2度目の出会いは昭和20年の正月。苦楽座さくら隊一行を繋温泉の愛真館まで迎えに行ったとき、三好十郎作「獅子」の稽古の後の雑談で戦争の話になった。そのとき、園井はこう言っていたらしい、「総理大臣を辞められた東条大将が、中将で陸軍大臣のころ、勝子夫人とご一緒に宝塚に来られたことがありました。宝塚歌劇団にとても理解があり、私にもたいへん親切にしてくださった方なので、お気の毒なような気がしますわ」。
また、この辺りでたまにお見かけする工藤剛嗣さんは、あかし・思い出のページに寄稿。園井と小学校の同級で、園井は工藤さんの家によく遊びに来ていて、工藤さんの母親や妹とも親しかったという。昭和10年ごろ、東京公演のとき工藤さんの妹さん在学中の東京共立薬専の屋上で、3人で語り合い再会を約して別れたのが最後だったようだ。
園井恵子と面識、交遊があったお二方の顔を単に知っているというだけの事ではあるが、この方々の著書への登場で、思いがけずも身近になった女優園井恵子である。園井恵子の強さ、ひたむきさ、たゆまぬ努力、美しさ、そして踏んだ数々の舞台、映画は、この本の中に記録されている。
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