プチ・ストーリー ートランプー
今朝方目を醒ますと、驚いたことに見知らぬ何処かの部屋の中にいました。それもおばちゃんは、天井に浮いてるんですね~。それはもうびっくりしました。無重力圏に出たかと見下ろすと、床には子どもが向かい合って、とても行儀良く安定して座っているので、無重力の世界ではないなと思いました。これは、ひょっとして体外離脱しちゃったかな。
二人ともとっても賢そうな子どもたちです。おばちゃんの息子たちではありませんよ。部屋の壁という壁には本がぎっしり。どこかで会ったような、どこかで見たような顔の子どもたちです。可愛らしい笑い声。ほんとうに楽しそう。おばちゃんは、真上から何がそんなに楽しいのか見てみました。すると、カードを引きっこして・・・トランプしてたんですね~。 おばちゃんもまだ小さかったころ、二人の弟とおばちゃんと姉とで、遅くまでトランプに興じたものです。ブリッジをして点数をつけて、最下位は玄関の鍵を掛けるとかその次はマグカップを片付けるなどと罰を科するのです。ほんとうに楽しかった。
それはともかく、子どもたちのゲームが、ブリッチなのかポーカーなのか七並べなのかを確かめると、まあ! ばば抜きだったんです。これも楽しいのね。最後にばばであるジョーカーが手元に残らないように、ずらして縦にもってみたり。念じたのに、相手がジョーカーではないカードを抜こうとしたときの無念さは!
おばちゃんは宙に浮いたまま、こどもたちの回りを行ったり来たりしました。不思議に、こどもたちには、おばちゃんの姿は見えていません。とうとう最後にジョーカーを抜いてしまった子が、カードをポイと投げ捨てました。 あれれれ、おばちゃんまでが一緒に別な世界にポイッ・・・投げ出されて無様にごろん、と・・・腰をひどく打っちゃって・・・。骨折はしなかったけれど、痛みが治るまでには、まだまだ時間がかかりそう。
うん?してみると、夢から醒めたと思いこんでいたときも、実はまだ夢の中だったのかな。何がなんだか分からなくなっちゃった。ただ、この痛みと、いま息してること、ここに存在してること、それだけは、紛れもない確かなことのようです。
自分がこうなってみると、やっぱりおばあちゃんを介護しておいてよかったな。ばば抜きしなくてよかったな。
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