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成人式

 「俺のことは書かないでね」といつも言う下の倅。そんなわけで、書きそびれていたわけだけど、やっぱり、やっぱり、これを書かずして何を書くという思いが消えず、書くことに。
 1月13日は、モリーオに育てられた若者たちの成人式がありました。北上山系や奥羽山脈を遠くに配した真っ白な雪景色の中、色とりどりに華やかに着飾った新成人が、渋滞の中、会場のアイスアリーナを目指したわけですが、我が倅もこの中に。
 親としては、背広の一着もプレゼントし、清々しいネクタイ姿の写真の一枚もと描いておりました。ところが、倅が選んだのは羽織袴でした。ずいぶん早くから自分で予約していたらしく、当日は5時半起きで、食事洗面を済ませ、6時半には、友人との待ち合わせに間に合ったようでした。
 3時頃帰ってきた倅を玄関に出迎え、「ちょっと、写真を撮らせて頂戴」というと、これまでカメラを拒否してきた倅が、すんなりと応じてくれました。おばちゃんも、すっかり嬉しい母親の顔になって、息子の隣に並び、2、3枚写してもらいました。息子の身長が、やけに高く感じられました。
 じきに長方形の中に収った、しゃっきっと背筋をのばし真っ直ぐに前を見た倅の写真と、身長にはっきりと段差を見せて倅とおばちゃんが並んだ写真が、プリントアウトされたのでした。


     
倅よ、成人お
めでとう!

おばちゃんは、息子を倅と書くのだけれど、なぜかというと、昔むかし、宮本金八というヴァイオリン制作者がいました。金八は日本を代表する制作者でしたが、息子のために美しく音もきれいなヴァイオリンを作ったのですが、その息子は死んでしまったのです。そのときに、金八が、「このヴァイオリンは倅(せがれ)だ」と言ったことから、おばちゃんは息子を倅というようになりました。

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