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ヴァイオリン制作者宮本金八

 さっき宮本金八のことをちょっと書きました。もうそんなのとっくに知ってるという方もいれば、えっ、いったい誰なの? と思った方もいるかもしれないので。
 宮本金八は1878(明治11)年西洋建築の大工の家に生まれたそうです。多くの日本のヴァイオリン演奏家を育てたヴァイオリンニスト、アレクサンダー・モギレフスキーも彼の楽器を愛好し3挺も所有していました。かの偉大なヴァイオリン製作者ストラディバリウスに匹敵するという方もいるようですが、おばちゃんには分かりません。
 宮本は、自作のヴァイオリンを高く売ったことで有名らしい。
 岩手との関係では、大正時代の岩手初の弦楽四重奏団太田カルテットのメンバーだった赤沢長五郎が、彼の「倅」(宮本が自分の息子のために、特に精魂こめて製作したヴァイオリン)を買い取ったことや、赤沢が、自分のヴァイオリンを、ちょくちょく彼のもとに修理に出していた事実があります。自作のヴァイオリンを高く売っていたところから、音にはかなりの自信を持っていたのですね。してみると、修理を依頼したなら、どれほどに高額であったかも分かります。代金を書いた葉書などもありますが、いまちょっと取り出すのが億劫なので、ごめんなさい。
 ついでに、太田カルテットですが、演奏が上手かったかというと、? となるのです。ただ、太田カルテットの果たした文化貢献、そうです、この文化貢献が大きかったのです。この文化華やかなりし頃のことを、拙書
「光炎に響く」 中ぶんな著 新風舎刊 に書いておきました。
 

 ついでにというか、 おばちゃんが出版した新風舎が、ニュースに大々的に。新風舎がこんな形で、こうも有名になるとは思ってもみませんでした。ついに落城。何ともドラマチック です。
 おばちゃんが出版した時点では、文芸社をじきに追い越すかもというのが、おばちゃんの観測でした。が、大きく外れました。実はね、刊行後おばちゃん も訴えたいくらいの気分はありましたよ。いまだから言うわけじゃありませんけどね。待っても本屋さんに本が並ばないので、自分の足でせっせと本屋さんを 回って頭を下げてお願いして歩いたのでした。新風舎が言ってる事とちと違うなあ、と思いましたが、無名の新人じゃ仕方がないという自覚もありましたから。でもまあ、それもこれもいまでは楽しい思い出となっています。よーし、セールスマンになりき
って頑張るぞ! と決めてからは、がんがんと歩きました。読んでくださった店長さんの判断で、平積みにしていただいたときは感激しました。

 ただ、今はね、本への執着はあまりありません。それを失ったからってどうだろ、という心境です。人を失ったわけじゃありませんからね。 

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